「狂喜乱舞とラムチョップ」
たとえば
自動販売機で130円のコーヒーを150円入れて購入したとき
コーヒーを取り出して
おつり取出口のカバーをかぱかぱしながら
落ちてくる20円を待つものの
ふと手を引っ込めるときがある
そして小銭が満を持して
取出口に落ちてきた音を聞いてこう思う
おつりよ、さらば
この残された20円は
次にここで飲み物を買った人
もしくは通りかかって偶然おつりが残っていることに気がついた人
もしくは過去の僕みたいに常におつり取出口を狙っている人
そんな人たちに多大なる喜びを与えることになる
そう過去の僕
小学生の時の僕は
登下校中、常に通り過ぎる自動販売機のおつり取出口に
鋭い眼光を送っていた
そしてそこに
10円、20円のおつりが身をひそめていた際には
目を血走らせ、
よだれを撒き散らし、
狂喜乱舞していた
そこはかとないラッキー感
決して小銭に飢えていたわけではない
確かにおつり取出口が内側の大量の硬貨のせいで
開かなくなっていた時
汗を垂らしながら苦心して700円ほどをもぎ取ったときは
コロコロコミックと駄菓子とジュースで豪遊したことはある
だがそれ以上にあの小さな穴には
夢と希望と計り知れない喜びが詰まっていたのだ
だからこそ
だからこそ今になって
おつりを見送り
見知らぬ誰かへと
小さな幸せのバトンを繋ぎたくなるときがやってくる
自分が取らなかったそのおつりは
過去の自分が見つけてくれるのではないか
そんな取り留めもない空想に浸りながら
はい
今回は簡単なラムチョップの献立を
無性に食べたくなるときありませんか
ラム肉
牛でもない
鶏でもない
豚でもない
でも肉が食べたいそんなとき
まあスーパー行ってラム肉買うかー
ってなることは滅多にないかもしれませんけど
たまに聞く「ラムチョップ」という響きに
興味そそられることはあるかもしれません
そんなときに簡単に家で作れれば
おしゃんてぃーなお店にラム肉求めて行く必要もありません
むしろそういうおしゃんなイメージがあるからこそ
ラムチョップを食べる機会が少ないんじゃないかと
思うわけです
ポイントはまず肉を常温にすることです
買ってきてそのまま外に出しておきます
セール品で安くなって写真のもので400円ほど
塩コショウを振っておく
オリーブオイルを薄くしいて
強火で脂身からじゅっと焼いて
片面をこんがりと
いい焼き色がついたらひっくり返して
赤ワイン少量を一気にかけて
すぐ蓋しめて蒸し焼きに
火力は弱~中火くらい
※強くはねることがあるので注意
この間に合わせタレを
醤油
ハチミツ
同量ずつで混ぜておく
お肉をつついてみて
ブにゅっとしたらまだ生
弾力あって弾き返してきたら火が通ってる
不安なときは
その微妙な頃合いでアルミホイルに取出し包んでおく
肉汁残ったフライパンにタレをぶち込み
煮詰まりとろっとしたところに
お肉を戻し入れて絡めたーら
完成。
つけあわせにフライドかぼちゃ
そそり立つように盛り付ける
美しい
肉です
という主張に迷いがなく
またその味も食感も肉らしい肉
ラム独特の風味も鼻を抜ければ心地よく
肉にかぶりついているという実感を
与えてくれる
ハーブソルトとかでスパイシーに仕上げてもいいかも
ラム・チョップ。
ラムチョップ
ラムチョッパー
ラムチョッペスト
〆は残ったタレに茹でた素麺をいれて
小ネギをぶち込み
粗挽きペッパーとガーリックパウダーでガツンと味付け
サラダの上に盛り付けて
お肉をのせて
完成。
ラム感強めで
脳みそ痺れます
輝いていらっしゃる
ラムチョップ
ドハマりしました
それでは
「明るいうちに始める晩酌の贅沢たるや」
今まで
焦ることで何かが始まったり
何かがうまくいったりしたことなんて
一度もないなあ、と
ふと思い
アルバイトしてた頃に言われた
「“焦る”と“急ぐ”は違う。早くやるっていうのは“急ぐ”方だ」
という言葉を思い出した
火も刃物も扱い
複数人が効率化を求めた狭い空間で仕事をする飲食店の厨房において
「焦る」ことは怪我や事故に繋がる
一方「急ぐ」というのは
状況を把握した上で
段取りを組み
冷静に
通常よりもより早く対処することだ
と自分なりに認識している
認識しているのになぜできないのか
「急いては事を仕損じる」
という言葉もあるように
「急ぐ」は色んなニュアンスを含んでいるし
僕の認識はずれているのかもしれない
でもそんなことは関係なくて
今自分はどうして人生を急げないのか
そんな不安をともなう疑問が
脳の内側に偏ってへばりついていて
常にわずかに傾いているような不快感を感じてしまうのだ
前回のブログの更新で
「焦燥感」
という単語を使った
それこそ焦りだ
それも漠然とした焦り
焦っては事を仕損じる、なんて言葉がないのは
きっとそれは当たり前のことだから
ましてや「急げて」いても失敗するんだから
何事も慎重にやれよ?ってことなんだと
勝手に解釈してみよう
――なんて滔々と御託を並べてみた結果
一番の問題は何に焦っているのかわからないってこと
何を急げばいいのかわからないってこと
もはや焦ってはいないのではないだろうか……
同年代の人たちは何を考えて生きているんだろう
なんてそんなどうにもならないことを
つい先日誕生日を迎えた際に
「また1つ歳を重ねてしまった……」という感慨とともに
考えました
どうでもいいけど
昔は誕生日の1週間くらい前から楽しみでそわそわしてたのに
今は過ぎて1週間くらい経ってから
ああ歳とったんだなぁ、って息を吐く
感情って年齢とともに遅くなっていくのかなあ
って鼻をほじりながら思いました
というわけで
先日またひとつ年齢を重ねたわけなんですが
それを実感することのひとつが
「晩酌」
以前は
晩酌とは一家を支える大黒柱が
仕事の疲れを忘れるために行う儀式
くらいの認識で
ひとりでお酒のんで何が楽しいのか
とまで思っていたのですが
愚かでした
「晩酌」って大事
というかもう晩酌というより
ひとりでお酒を飲む時間も面白い
ってことに気がつきました
もちろん
仕事を忘れるためでもあり
一緒にのむ人がいないから仕方なくという場合もあります
その一方で
会社の飲み会のように気を遣わなくてよく
誰かに合わせることなく完全自分ペースで飲める
そしてなんといっても
お酒自体を堪能することができる
つまり「人とお酒を飲む」ことと
「ひとりでお酒を飲む」ことは
比べられるものではなくて
意味も目的もまったく異なるものだと思います
仕事柄
酒蔵や酒販店の方と接する機会も多く
お酒に詳しくない僕でも
お酒の歴史を知るとよりおいしくなることを知りました
「日本酒ドラマチック」著:山同敦子
を読みながら日本酒で舌を濡らし
つまみにはサーモンのカルパッチョ的なのを
サーモンとブロッコリースプラウトを
オリーブオイルとレモン汁で和え
ピンクペッパーと粗塩振りかけて完成。
好きなつまみをお酒通の目を気にせずに
合わせられることも楽しいですね
明るいうちに始める晩酌の贅沢たるや
そんでもって
お酒を少しいれると
無性におなかも空きます
ということでハンバーグを作ります
粗挽きの合いびき肉を用意し
今回はハンバーグヘルパーを導入
調味料やつなぎ等全て入っている優れもので
肉に混ぜるだけでハンバーグの種が完成するという
恐ろしい魔粉
片面強火で焼き色つけたら
ひっくり返して蓋して弱火でじっくり
箸を刺して透明な肉汁が溢れてきたら
火が通った証拠
フライパンに残った肉汁に
ソース、ケチャップ、バター
少し煮詰めてハンバーグにかけ
粗挽きブラックペッパーをファッサァ……
付け合せに
シメジとズッキーニのコショウ炒めと
ルッコラを添えて
完成。
15分足らずで手早く完成するのに
最強のボリューム
厚めに作ることで粗挽きを活かした食べ応えに
肉ってやっぱ最高だ……
歳を取ったことなんて忘れ
酒と肉に舌鼓を打つ
今年も小さな美味しいを積み重ねていければいいなあ
「明日やろう、は『やらない』と同義」
前回のあらすじ〜
「学生」から「社会人」へとジョブチェンジをして
早くも1年が経とうとしている
そんな衝撃の事実に
背筋どころか
全身のありとあらゆる筋を凍りつかせた僕は
再びブログ(という名の日記)を書くことを決意した
しかし
この一年で失ったものは大きかった
鈍る思考回路に
衰えた肉体
無に帰した判断力と
コミニュケーション力
元々なかったような気もするが
今までコンセントに繋いで動いていたのに
今や単3電池一本のみを背中に背負って活動している
そんな己のエネルギーの薄弱さを
思い知ることになった
そして
かつては料理をするために始めたブログのはずが
今となっては
ブログを書くためには料理をしなくてはならないことに気がつく
しかし湧き出ぬやる気
料理をするために
調理器具をあれこれ揃え
わざわざ車で2時間かけて陶芸までしに行く始末
そうして
ようやくブログを書く境地に到達したのである
しかし出来上がったものは
インスタントラーメン
そんなことではいけない
整えた武器を使いこなし
自分の眼を覚ますような
前衛的で先進的で爆発的な一品を
覚悟を決めた
惰性にまみれた男の
新たなる冒険が
再び幕を開けようとしていたーー
というわけで
原因不明の焦燥感に苛まれながら
冷蔵庫を開けてみる
(まずは今家にあるもので作ろう)
車を出し
寒空の下買い出しにでかけようとすると
面倒臭さが呪詛のように体に絡みついて
結局料理を諦めることが多いので
まずはあるものでアレンジすることに
(すでに惰性)
今ある食材を並べ
右手に包丁
左手に鍋
新品のそれらを装備し
考えること1時間
いや実際はもっと短かったのだろう
10秒程だったかもしれない
しかし精神の扉を開いていた私には
何十倍にも長く感じられたのだ
その時
思考の先に光が見えた
不安定だが力強い光だった
それを手繰り寄せるように
優しく掴み取る
それからはあっという間の出来事だった
ついに完成したのだ
私は
達成感に膝から崩れ落ちた
全身に
一滴のエネルギーさえも
残ってはいなかったのだ
湯気をたちのぼらせる
その料理を見て
それまでのことが走馬灯のように駆け巡る
出来上がった料理をご覧いただこう
うどんやないかーーーーい
麺つゆと冷凍うどんに
あるもののっけただけやないかーーーい
(こんがり焼いた福島県の三春町名物「三春三角油揚」と三つ葉と梅干し)
(この油揚げがサクふわで、汁が沁みるとジューシーでとてもおいしい)
かろうじて包丁使ってるけども
使ってるけどもやないかーーーい
ごめんなさい
悪ふざけが過ぎました
(2連続の茶番)
結局あるもので
ささっと簡単に作る
が染みつきすぎて
手の込んだ料理をするということは
一人暮らしのしがない男には
結構難易度が高いのだ
という当たり前のことを再確認しただけでした
だけど
そういう男共が感じる
料理の面倒臭さ
を飛び越えて
料理してみようかなって思うには
どうすればいいのか
これから料理をしていく上での新しい課題を発見できました
どうでもいいことを長々と書くと
すっきりします
逆にどうでもよくないことってなんだろう
次は簡単にパスタを作ります
どうでもいいけど見た目が気に入ったお菓子の写真でさようなら